本の広場 - ふつうの生、ふつうの死 ・ 感想


「静岡がんセンターの近所に住まっている66才の男性です。」米山洋一


この度、「ふつうの生、ふつうの死」を拝読いたしましたので、その感想を述べさせていただきます。

小生も直腸がん(?期)が昨年の6月に見つかり7月にその手術を「静岡がんセンター」で実施し、又、肺・リンパ腫・肝臓にも転移が認められその内8月に肝臓の手術をいたしました。その後抗がん剤治療を受けましたが副作用のため脱水症状がひどく、一ヶ月入院し、現在は別の抗がん剤の治療を継続していましたが、やはり副作用のため体調不良をきたしました。
又、脊椎にも転移が認められ、放射線照射を受け何とか骨折だけは食い止めていただきまあまあ生活できているものです。
そんな折、土本亜理子さんのお書きになった前記の本を読ませていただきまして、伊藤真美先生のお考えに感心させられました。

施設開設までの苦労談などを伺いますと、このところ世の中は乱れに乱れているように思いますが土地の所有者、銀行関係者、設計士さん等まだまだ日本も捨てたものではないなというおもいがいたしました。もちろん伊藤先生のなみなみならない情熱がそれらの人々を動かしたのはいうまでもないことでしょうが。
僕も場所が近ければ是非お世話になりたいと思いますが、先生のところにいらしたことのある田中圭子先生が居る「静岡がんセンター」のほうにお世話になるつもりでいます。

僕も祖父を始めとしていくつかの死を見て参りましたが、いざ自分にその時が近づいて来ますとなかなか素直にそれを受け入れることが出来ないで居ます。自ら命を絶つことも考えたりする昨今で有りますがこのような本を読みますとやはり自然に最期を迎えたほうが家族や友人その他の関係者に迷惑をかけないのかなあと思うようにもなりました。
実際本人ががんになって見なければその苦しみ(肉体的・精神的)は分からないと思います。ですからこのようなホスピスが有るということは患者にとってはすばらしい事と思います。

これからも是非施設を長く続けて、一人でも多くの患者さんの気持ちを穏やかのものにしていただき最期を看取ってあげてください。

取り留めのないことを申し上げましたが、死を待つだけの人生がいかに空しいものであるかということを身をもって痛感し、ホスピスの役柄がいかに大きいかを知りました。

施設の運営をされている皆様の努力に敬意を表し感想といたします。


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