スープのよろずや「花」

Vol.4 憲法9条が無かった時代、母親も戦場へ

第二次大戦では、日本赤十字社の従軍看護婦1080名が殉職。 「百年の手紙」という本の中に、従軍看護婦として、乳飲み子を残して出征した母親の話がある。夫への手紙には「お乳が張ったので子供の写真を見て、元気にしているかと思うとどうしても泣けてしまう」とあった。この若い母親は出征から2か月で殉職、子供を育んでいた夫も2年後招集され殉職した。 この本を読んで間もない頃に従姉が、娘と4ヶ月になる孫を連れて上京して来たので、早速会いに行った。授乳中の母子を囲んで和やかに話しが弾み、幸せなひと時を過ごすことができた。 しかし、こんなささやかな幸せも、徴兵制によって簡単に奪われた時代があったのを、いつも心に留めておきたい。 平和憲法である9条は理想にすぎず、押し付けられたものという考え方もあるでしょう。しかし、国家権力に自由に戦争をさせない制限をすることで、他国から参戦を要請されても交戦を回避することもできていました。国民として国家権力に戦争することを許すのか、憲法9条で戦争をさせないように制限し続けるかの分岐点。 若い母親と幼子が共にいられる幸せの道を選びたい。

通信山本

印刷用Vol.4

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