No.8 県民フォーラムに参加して

日時:2003年8月9日

 2005年の介護保険制度の見なおし改正がよりよい方向で行われるためには、利用されている方々の声を伺うことが大切と、たくさんの方々の声を集めるフォーラムが開催されました。
フォーラムは3部からなり、第1部「どう思う? 障害者福祉は介護保険で?!」に当院のショートステイを利用して下さっているKさん(45才)とKさんの母親、第2部「介護保険はどうですか?~暮らしの視点で総点検」に鴨川市でヘルパーサービスを利用しているTさん(78才)に参加をお願いしました。
I先生をナビゲーターに、2台の車を連ねて千葉市内の会場へと向かいましたが、会場へはすでに多くの方々が来場しており、関心の高さがうかがえました。

~ 第1部 ~

 Kさんには親子で壇上へ上がってもらい、Kさんの思いや、日頃感じていることをパソコンを通して母親に伝え、それを代弁していただきました。

現在は、障害者福祉が主で、介護保険は利用していないので、勉強させてもらうつもりで参加しましたとへりくだっておっしゃっていましたが、さすがは元校長先生!!という感じで、大変わかり易く、聴衆を引きつけていました。

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~ 第2部 ~

車中で予行演習をし、準備万端だったTさんでしたが、壇上へ上がる際には緊張して声がでるかしら・・・と心配顔。でも、「下ばかり見てないでたまには上もみて、蜘蛛の巣ぐらいとって欲しい」「料理の上手なヘルパーさんに来て欲しい」などなど歯に衣着せない物言いで、会場を笑いの渦に巻き込んでいました。

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~ 第3部 ~

「まとめ風対談」大熊由紀子さん(元朝日新聞の新聞記者。現在、大阪大学大学院教授)と池田徹さん(特別養護老人ホーム「風の村」理事長)に、千葉県健康福祉部障害福祉課と保険指導課のお二人も加わり、これまでの介護保険の動向、今後の見直しに向けての方向性についてのまとめがなされました。

利用者の方々の声からは、「お任せします」ではなく、自分達が受けるサービスだから、自分達の手でよりよいものにしていこうという姿勢が伝わってきましたし、ケアマネジャーの資格がなく、介護保険とはちょっと縁遠かった(大きな声では言えませんが)私には、大きな学びとなりました。最後に、「ドライブが好きだから疲れないよ。」とカメラを向けるとポーズをとるKさんや、「帰りの車の中では寝たきりになっちゃうかと思ったけど、今日はどこも痛くならなかった。」とにこにこ話すTさんの様子をみて、障害者や高齢者、介護者がもっと気軽におでかけを楽しめる環境が1日も早く整うといいなあと思いました。

看護師:飛岡千鶴


~ 第1部 Kさんの発言より~
本人は制度的なことについてはあまり解っていないと思います。(私もよく解ってはいませんが・・・・)
息子の意見を代弁すると言う形で私の考えを述べさせていただきます。

■介護保険について
・ 息子の場合介護保険に該当しないため考えてもいませんでした。若し介護保険で医療を受けるとしたら現在の医療とどう違うのか全く解りません。教えていただけたら有難いです。

■病気を持った障害者の介護で思っていること
1.ショートステイ先がない
・ 我侭かもしれませんが、家での暮らしに近い生活の出来る所を探しても無い。
・ 気切をしている為、夜間の世話が出来ない・・・と断られる。
・ 医師が常駐している(敷地内に病院を持つ)施設が少ない。
・ 老人の施設は多いが・・・・・お世話になるのは可哀想かなと思ってしまう。
・ 電子メール・インターネットが自由にできる施設が少ない。施設の環境(人的、物的)整備し、障害者の受け入れ態勢を整えて欲しいです。

2.医療施設への短期入院の費用について 
よくお世話してくれるショートステイ先があると知人から紹介されて・・・今本当によかったと感謝しお世話になっています。
何と言っても本人が最も喜んでお世話になっていることです。今まで幾つかの施設、病院と経験して来ました。でも「一寸したホテルにお出かけしてきます。」或いは「気に入ってる病院にショートステイ」とメールを友達に出してから出かけます。ありがたいことです。
耳が聞こえず、話すことが出来ず…中々コミュニケーションが図れない事が多いですが、時間をかけ本人の意図を理解しうまく対応して頂き感謝です。
・ 不自由な手でパソコン。特にメールは電話回線に繋いでやらないと出来ないがその設備があり、メールやインターネットを自由に楽しんでいます。
・ 家から近い為楽に入退院や往き来が出来ます。
・ 施設利用より経費はかかるが、限りある命を精一杯生きる事が出来るので金銭には代えられないと思っていました。・・・が・・・何らかの形で支援して頂けたら有難いです。

3.介護者が用事ができた時や自分の時間を持ちたい時
・ 気切していると、ヘルパーさんはお願いできないそうです。2時間~4時間看ていただけたら良いのですが、ショートステイ3日間となってしまいます。
・ 資格のある人材の養成または、現役を終えた看護師さんの介護支援の会のような組織は無いのでしょうか?

4.高額医療費について
・ 月が二ヶ月にまたがった時、医療費が月別に処理され小額だったり該当しなくなります。患者や家族に優しくない制度です。
事務上大変とは思いますが、出来ることなら月に関係なく医療費を考えて欲しいと思います。


~ 第2部 Tさんの発言より~

会場の皆さんこんにちは。鴨川市から来ました・・・です。よろしくお願い致します。
私77才、主人87才です。2人暮らしです。
 介護保険ができてからは買い物や通院は、ヘルパーさんに連れて行って頂きました。ヘルパーさんが来てくれる事がとても楽しみでした。保険ができるまでは、タクシーを利用していました。1ヶ月4、5万円かかりました。ある日、突然、ケアマネージャーより利用者は、ヘルパー車に乗せられなくなるとの話を聞きびっくりしました。法律はどうしてくるくる変わるのでしょう。
 鴨川市では、7月1日より介護タクシーが始まりました。私の場合、自宅から石川クニックまで11キロ、片道料金は1,800円と介護保険自己負担分として100円で合計1,900円です。せめて片道1、000円位にして頂きたいです。タクシー会社では、もう少し安くしても良いとの事ですが、陸運局の「お役人」がこれ以上下げてはいけないとの事です。

 買い物をヘルパーさんに頼めても、例えばお刺身を食べたいなと思っても、どんなものがあるのか見ないでは難しいです。自分の目で見てその日お店にあるおいしいそうなものを選べないのです。お刺身の種類を決めて頼まないとヘルパーさんが困るので、そのように頼んだら、何千円もする大きなものを買ってきてくれて、さばかないといけないし、とっても困りました。

  主人は無口な人ですからヘルパーさんが来てくれる日は、朝から首を長くして楽しみ待っています。主人は、朝食後は書道です。昼食を食べて2、3時間は休み、又書道です。現在、初段の勉強中です。主人は、在宅亀田病院をお願いしてあります。先生、1ヶ月に1回、看護師4回、薬剤士が1回です。皆さんやさしい人達です。主人は満足しています。主人は、一人で歩けなくなって来ました。腎臓摘出手術をしてから体力が落ちました。足が上がらないので家の中で怪我ばかりしています。最近は、ヘルパーさんを頼んで散歩をしています。夜中トイレに行く時は、私を起こしなさいと言っているんですが、私が良く寝ていると起こすのが気の毒だと言って一人で行くんです。汚してから起こすんです。着替えやら掃除やら冬は大変でした。主人は、ごめんなさいと言って頭を下げています。私は、主人に「年を取れば皆そうなのよ、寒いから早くベットに入りなさい。」と布団をかけてあげます。
 6月にふれあいセンターからリハビリパンツを支給されました。とても助かっています。

 ヘルパーさんは、主婦の人が多いのですが、料理の上手な人は少ないです。あまりのひどさに係長を呼んで文句を言った事もあります。名指しで出入りを止めた事もあります。この頃では、この先何年お世話になるかわからないと思うと、我慢をしなければいけないと自分で言い聞かせています。

 また細かいことですが、窓ふきと草取りはヘルパーさんにお願いできないそうです。主人がたばこを吸い窓がくもって汚れても、私の家事援助にきたヘルパーさんにはお願いできないそうです。でも私ではとても窓ふきはできないので我慢しなくてはなりません。庭の草取りもだめだそうで、植木鉢の中にはえた雑草は、本当はいけないのだけれど、内緒でねと言いヘルパーさんがちょっととってくれました。

 親友から聞いた話ですが、お掃除のヘルパーさんが45分お掃除をして、「次がありますから帰ります」と言って帰ったそうです。1時間分のお給料をお支払いしたそうです。
まもなく、ヘルパーさんを断ったそうです。私の家では、洗濯機がまだ止まっていないのに、「次に行く家がありますから、明日の人にやってもらって下さい。」と言って帰ったこともありました。このヘルパーさんは、今では、とてもよくいろんな事に気がつく良いヘルパーさんになって下さいました。このヘルパーさんが来るのが楽しみになる仲の良いヘルパーさんになりました。

○ヘルパー事業所の主任さんにお願い
(1) ヘルパー訪問は、毎日人が変わるのではなく、なるべく同じ人に来て頂きたい。
(2) タバコの煙でガラスが良く汚れます。主人が座っている前だけでも拭いて頂きたいです。灰皿もきれいにしてほしい。
(3) 仏壇の花の水も取り替えてほしい。
(4) たまには、上の方も見てクモの巣くらい取ってほしい。
(5) 2~3個くらいの植木鉢の草は取ってほしい。
(6) 買い物について、お願いした品物が余りにも高い時は、電話をしてもらいたい。
(7) ヘルパーさんの中には、「仕事が慣れませんのでよくできません。」などと言う人もいます。ヘルパーはプロなんですから、一生懸命仕事をしてもらいたいものです。基本料金も老人にとっては安いものではありません。
(8) サービス利用表を大きくしてもらいたいと、ケアマネージャーに話しましたら、全国どこでも同じものだから仕方がないと言われました。利用が少なければ我慢もできますが、多い時には、さっぱりわかりません。仕方がないので拡大コピーをしてきてもらいます。
(9) 私の家に来るヘルパーさんは、家の中で合成樹脂で出来た上履きを履くのです。どこの家に行っても履くのではあまり気持ちの良いものではありません。履かなくてはいけない規則があるならば、使い捨てを使ってほしいです。

 私は、朝食が終わると1時間位新聞を開げます。まず、老人に関係する記事があるかないかと目を通します。毎日、良い事はありませんね。年金は少なくなるし、介護保険は高くなるし、スーパーに行っても思うような物は買えません。蓄えておいたお金もだんだん底をついてきました。どうしたら良いかと夜も眠れぬ事もあります。
 お話はまだまだたくさんありますが、次の機会に致しましょう。老人が安心して楽しく暮らせるようお願い致しまして、終わりと致します。ありがとうございました。

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