2010.6.20 第15回日本緩和医療学会に参加して















安の報告 

     
《経管栄養の発表関連》
ケアタウン小平のDrより
経管を注入後に、水分過多で痰や唾液がわっと増える場合には、介護している家族がまず気づいて、何故でしょうと質問して来る事が多い。
その時に量を減らす説明をすると家族の理解が容易である。
しかし、中止については在宅の患者さんには経験がない。
個別対応という点についても、なにも指導しなくても、奥さんが果物の汁をガーゼで漉していれたりしていて、家族は自然にやっている。 

《シンポジウム こころを支える》の質疑応答で
「一般病院では、緩和ケア病棟のようには、忙しくてなかなか一人の患者さんに長い時間対応が出来ない時にどうすればよいか」との会場参加者からの質問に対して
シンポジスト 精神腫瘍科Dr大西から
時間の長短ではなく、患者さんと『情がつながっていれば』忙しくても短くても、患者もわかってくれる。『情がつながっていない』まま長い時間をかけても意味がないともいえる。という答えが印象に残りました。

《学会での気づいた情報》
(1)ガバペン(ガバペンチジン)離脱症候群の症例報告があった。
血中消失半減期は5-7時間。投与後3時間で最高血中濃度に上昇。
急な内服中断に、精神的興奮、不安、時に幻覚、幻聴などの症状も呈す。
同薬を中止前と同量で再開すれば、症状は消失する。

(2)ノバミン(メトクロプラミド)の副作用
にアカシジアがあることをつい忘れがちであるが、せん妄と考えていたが
結果的には、アカシジアだったとの症例報告のポスターが複数あった。
オピオイド開始時に2週間位ノバミン併用し、その後は、一旦中止を検討して、必要最低限にすることが原則。

(3)アセトアミノフェン投与量
他の施設は1500-2000mg/日。症状によっては更に増量で、用量依存性のとのことであり、当院の400mg/回、1200mg/日は除痛の量としては不足かと考えた。

(4)腹水の再濾過装置(デンバーシャント)
以前のものに比べて、癌細胞を濾過する機能が進んでいるので、濾過して静脈に戻すということを緩和治療としておこなっている施設がある。

(5)がん性腹膜炎の腹部膨満感に対して
リドカイン静注が有効だったとの発表が2件

(6)職種別フォーラムにリハビリテーションの部会がありました。
                               医師:安惠美

コメントは停止中です。