土本亜理子さんが当院を取材し、3年前に出版された「花の谷の人びと」が文庫本になりました。
出版社の意向もあり、本の題名は変わりました。ちょっと不思議なタイトルになって、「ふつう」談義があちこちで聞かれます。著者が語る「ふつう」については、文庫版あとがきをどうぞ読んでください。
人が「生きて死んでいく」ことを見事にとらえた、「エルマおばあさん」という本があります。
その写真と文を綴られたフォトジャーナリストの大塚敦子さんが、文章を文庫版に寄せて下さいました。
土本亜理子さんの当院についての3年越しの取材で、『「花の谷」の人びと』が出版されました。
活字になったここで織り成された物語を、少し面映ゆい思いで読みながら、改めて、ここに登場していただいた皆様の思いを
受け止め、ともに過ごした時間に思いを馳せ、そしてまた気持ちを新たにすることができました。これは、私ばかりでなく多く
のスタッフの思いです。
ここでの日々は、いつも試行錯誤、力足らずのことも多く、活字にはならなかったところで、課題も多いのが現実です。
しかし、まだお会いしたことのない読者の皆様から多くのメッセージをいただくようになりました。こんな思いで読んでくださ
る方がいらっしゃるという新たな発見、うれしい思い、悲しい思い、考えさせられること、様々です。過分と思われるお言葉も
いただきました。しかし、この本を触媒に、日本の緩和医療の現状と課題を、皆様とともに考える本当にいい機会をいただいて
いるのだと思えてきました。
地域の方々に利用され、育てられてきた花の谷クリニックで、私に課せられたこれからの仕事は、こうした様々な人びとの思
いを、どういう形かで、地域社会にお返していくということだと思っています。そこで、こうして寄せられた皆様の声を、ぜひ
多くの方々と共有させていただきたいと考え、このホームページに「本の広場」を作りました。
皆様、どうぞよろしくお願い致します。
こちらに「花の谷」の人びと の書評を一部ご紹介します。