患者満足度 -医療の質と医療経営の質をどう評価するか

講師:前田泉 (ティエム・マーケティング・コンサルタント)
2004.01.24

 普段、私たち医療者は、患者さんが来るのを「受け入れる」という形で仕事をしていることが多いと思う。そのためか、患者満足度、という患者さんの私たちへの評価をあまり気にしていない傾向にあるのではないか。 今回の講師前田先生は、現在医療専門の市場調査会社に勤めており、マーケティングの基本的な説明も含めて、患者満足度がなぜ大事なのか話して下さった。患者満足度は、一番高ければ一人の人が、8.4人の人に口コミで広がるが、満足度が低ければ口コミが期待できないばかりでなく、ネガティブな口コミになってしまうという。患者満足度は「医療の質」と「医療の経営の質」を表すという。そして、患者満足度に一番影響を与えるのは、「コミュニケーションの質」であるという。外来においては、医師の聞く態度、分かり易い説明が圧倒的に満足度に影響する。入院した場合は、それば看護師だったり、その場所にいる人との「コミュニケーションの質」が患者満足度に影響するのだ。あまり意識しないで患者さんに接していたが、一瞬一瞬の患者さんとの関わりが、満足度につながること、そしてそれが医療の質につながること、経営の質につながることになり、一人一人ができることなんだ、と思った。
 今回の講習の中で、1つ気になった言葉があった。コミュニケーションスキルとは、「伝えること」と司会の方が、おっしゃっていたが、そうなのだろうか?相手を理解し、目標や苦楽を共有するのが、コミュニケーションなのではないだろうか?医療者の世界のコミュニケーションとは、今のインフォームドコンセントに代表されるように、説明する、伝えるという意識が強すぎるのではないかと、この会の中でも考えてしまった。
 マーケティングの世界では、常に「顧客はどうなんだ?」と考える。私たちも常に、「患者さんはどうなんだ?」と考えながら接して、評価していかなくてはならないと思った。

看護師:国井裕美

——————————————————————————–

 私は今回のテーマについて、身近なところで、場所を「スーパー」に置き換えて考えてみた。
 私には、行きつけの某スーパーがある。最近近隣に、品数豊富で値段も安いと評判の大型スーパーが誕生したが、それでも私は 今までどおり、某スーパーへと足を運ぶ。なぜならそこは、お店の雰囲気がまことにいい。店長さんが実によく店員さんに声かけをしていて、店員さんとのコミュニケーションがうまくとられていることが伺える。そのやりとりを見ていると、微笑ましくて、とても気持ちがいい。それが必然と接客にも現れているのだ。そこの店員さんは、みなさん感じが良くて、お客に対してだけでなく、スタッフ間でも、互いに声をかけあって、気配りがしあえている。だから私は、値段や品数が大型スーパーに多少敵わなくても、ついついそのスーパーへ行ってしまうのだ。いや、私だけでなく、そのスーパーは、大型スーパーが誕生してからも、常に駐車場が混んでいる。
 結局こういうことなのかなと、実感した。患者さんも人当たりのいい医師がいてやさしい看護師がいて、その他の気の利くスタッフがいて、あの病院に行けば親身になってくれるから、話をよく聞いてくれるからと、来院して下さる。雰囲気や環境の良いところへ、居心地の良いところへ、人は自然と集まってくる。結局それが、安定した経営へとつながっていくのだろう。
 では、患者さんの満足度は、何で図れるのか?物差しは何だろうか?
それは、感謝の言葉であったり、自然にこぼれる笑顔から、確認できるのではないだろうか。そしてそれを確認できた時に、私達医療従事者も喜びを感じとることができ、やりがいへとつながる。要するにスタッフの意識向上が、患者さんの満足度アップの要素となり、それはまた互いの相乗効果を得ることにもつながるのではないだろうか。
 最後に、私は思う。すべての患者さんに対して、平等なサービスを提供し、そして、平等に満足していただけるよう、常に心がけたいと!

医療事務・介護職:高梨友子

コメントは受け付けていません。