リハビリテーションからノーマライゼーションへ

講師:澤村誠志 (日本リハ病院・施設協会長)
2003.12.06

 講義を受けるのは学生以来?だったため、睡魔と戦わずに聴講することができるか不安でしたが、大変わかりやすく、又おもしろく、あっという間の3時間でした。時間が足りなくなってしまい、最後の方をかけ足で終わったのは残念でしたが。
 病院でのリハビリテーション療法によって、体はぼちぼち良くなったが心は鬱鬱な状態から、地域リハビリテーションへと移行してノーマライゼーションをゴールに、兵庫県立リハビリテーションセンターを中心とした神戸市での取り組みの様子がスライドで紹介され、地域リハビリテーションに縁がなかった私は、感心させられることしきりでしたが、日本の現状はというとスカンジナビア、イギリスやカナダなど、多くの先進国と比べると、予算や、政策等多くの面で遅れていることが数値で示されることにより、改めて認識させられました。
 ノーマライゼーションとは、全ての人が当然持っている通常の生活を送る権利を出来る限り保障する、障害者のいない世界はない、障害のある人であっても、障害の無い人と同じチャンスをもつべきである、と説明され障害者を生まれた時から地域社会で暮らしている生活者として認識し、(インクリュージョン思考)ノーマルな人にするのではなく、「ふつう」に暮らせるように環境の方を変えていくことだということがわかりました。
「今は幸い元気で暮らしている。しかし、いつ、思いもしない時に、事故にあったり、病気に罹り、手足が動かなくなったり、言葉が喋ることが出来なくなったりするか、誰も明日のことは分からない。誰もが、日本に生まれてきてよかったと思う、心豊かに、住み慣れた地域に、住み続けることのできる社会を、皆で作りあげたい。」明日は我が身と題された結びの言葉に共感がもて、ノーマライゼーションを実現する上で忘れてはならないことだと感じました。自分自身がそのような状況におかれた時、どう感じ、何をしたいのか?を皆が真剣に考えて取り組めば、寝たきり政治家を起こすことができ、社会も変わっていくのかもしれないと思いました。

看護師:飛岡千鶴

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